対馬へ

2014/02/14

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2月9日から3日間、対馬南部・豆酘(つつ)地区にて1000年以上続いている「赤米神事」の調査へと行ってきました。日本のお米の原種であり、昨年の宮中献穀米にも選ばれた「赤米」です。民間伝承の形でこれだけの時間息づいている事も貴重なのですが、自然信仰(穀物信仰)と神仏とが一体となり、島という閉鎖性も影響してか、神仏分離も起こらず古き日本の信仰の形を残していました。同地区の多久頭魂(たくずたま)神社には大陸から渡ってきた梵鐘があったり、神主様の呼び名にも「宮僧(くぞう)」と「僧」が付いていたり、日本人の包み込む寛容な精神性を感じさせます。独特なイントネーションの豆酘弁や、豆酘美人と称される人々の出自の由来には、深く大陸との交流が関わっているとの話も聞けて、長崎の面白さをあらためて発見しました。

この神事に横たわる「かつて自然(神)と人と食は一体であった」という事実は、僕たちが忘れてしまっていた「大切にする心」をもう一度思い出させてくれそうです。